山梨学院短期大学

2020年度卒業式(2021年3月15日挙行)学長式辞

2020年度卒業式(2021年3月15日挙行)学長式辞

     21世紀広場の噴水に降り注ぐ日差しやキャンパスを吹き抜ける風に、あたたかさを感じる季節となりました。
     本日、山梨学院短期大学は、食物栄養科卒業生89名、保育科卒業生144名、専攻科修了生20名、計253名に、卒業証書・修了証書を授与いたしました。卒業生・修了生の皆様、そしてご家族の皆さま、誠におめでとうございます。この良き日を迎えることができたこと、私共教職員にとっても、大きな喜びであります。山梨学院短期大学を代表し、皆さまに、心からのお祝いを申し上げます。
     2年前の4月、皆さんは本学に入学なさいました。その時に、前学長山内淳子先生が「実践を貴ぶ」という本学の教育理念についてお話されました。なぜ「実践を貴ぶのか」というお話の中で、山内淳子先生は、「私たちは実践を通して相手を知ることができる、そして、どうしたら相手を笑顔にすることができるのか、どうしたら泣いているこの子を安心させてあげられるのか、そう考えることが私たちの学びの原動力となる」とおっしゃいました。「実践を通して人々を笑顔にする」これは、本学がずっと大切にしてきたことです。
     現在、世界中が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、私たち人類は、これまで経験したことのない課題と向き合っています。食や保育に携わる専門職の方々もそれぞれの現場で、自分たちには何ができるかを、精一杯考えて日々を過ごしています。
     給食の現場では、食べながら会話をすることができなくなりました。それでも、給食を通して皆さんが笑顔になるにはどうすればよいか、全国の栄養士の方々はそれぞれに工夫を凝らしていらっしゃいます。学生の皆さんも、これまでは対面での食事を想定して考えていた献立を、持ち帰りのお弁当の形にすることを考えたと思います。お弁当として喜んでもらうにはどうすればよいか、アイデアをだしあったことでしょう。
     製菓・製パンに関わる皆さんの「スイーツで人を笑顔にする」というモットーはコロナ禍でも変わることはありません。世間ではオンラインショップでのスイーツ販売、来店時間を制限するための予約販売、など、新しい販売形態が考案されています。学生の皆さんも、ショップ実習を行い、洋菓子、パン、和菓子を販売してくださいました。キャンパスにできた長蛇の列は、製菓・製パンが私たちの生活になくてはならない喜びであることを示してくれました。
     保育・教育にかかわる分野においては、私たちの生活における保育園の大切さと園で行われる保育・幼児教育の意義が再認識されました。預かってくれるところがあるから保護者の皆さんが働ける、という意味での保育園の大切さはもちろんのこと、一人でも登園するお子さんがいれば保育所を開けるという、保育者たちの子育て支援への思いは、社会全体を支えました。テレワークの中、保育園に子どもを預けなくてもよい、となったとき、多くの保護者が感じたことは、保育園・幼稚園・学校が、いかに多くの遊び・学びの経験の機会を子どもたちに与えてくれていたか、そしてそれらが、いかに子どもたちの言葉や社会性など、大切なものを育む機会となっていたか、ということでした。
     さて、コロナ禍での食と保育に関わる専門職についてお話ししてきましたが、「実践を通して人々を笑顔にする」ということは、いつの時代も、どんな状況でも、その大切さは普遍的です。10年前、東日本大震災が起き、多くの人が被災した中、食や保育に関わる専門職の実践は人々の生活と幸せを支えるものでした。10年後、どんな未来が待っているかわかりませんが、「実践を通して人々を笑顔にする」ということは、きっと変わらず大切にされているだろうと思います。本学で皆さんが学んだ「実践を通して人々を笑顔にする」ということを、食や保育の専門職の現場ではもちろんのこと、皆さん一人一人がその人生の中で実行してくださったら、これほど嬉しいことはありません。
     最後に、本日山梨学院短期大学を巣立っていく253名の卒業生・修了生の皆様全員が、これまでご自身が経験してきたことに誇りを持ち、自信をもって今後の人生を歩んでいかれることを祈念し、学長式辞といたします。

    令和 3 年 3 月15日
      学校法人山梨学院
      山梨学院短期大学
       学長 遠 藤 清 香